本指針は,「原子力災害対策特別措置法」に基づき,原子力事業者が緊急時の対応を定める原子力発電所に係る原子力事業者防災業務計画を作成又は修正するにあたり,原子力事業者共通の参照基準や解釈を示すため制定された。 今改定は,「緊急事態応急対策他」等の新たな要求事項に基づき改定したものである。
1.序 論
1.1 目 的
1.2 適用範囲
1.3 定 義
2.関連法規等
2.1 関連法規,規定
2.2 関連指針類
3.原子力災害予防対策
3.1 目 的
3.2 原子力事業者防災業務計画
3.3 原子力防災組織及び原子力防災要員
3.4 原子力防災管理者及び副原子力防災管理者
3.5 通報連絡に係る準備
3.6 放射線測定設備
3.7 原子力防災資機材
3.8 原子力防災資料
3.9 原子力防災設備
3.10 原子力防災教育
3.11 原子力防災訓練
3.12 関係機関との連携及び立入検査の対応等
3.13 広報活動
4.緊急事態応急対策等
4.1 目 的
4.2 緊急時活動レベルによる事象の同定等
4.3 通報連絡の実施
4.4 応急措置の実施
4.5 応急措置の概要報告
4.6 原子力緊急事態宣言発出時の対応
4.7 事業所外運搬における緊急事態応急対策他
5.原子力災害事後対策
5.1 目 的
5.2 原子力発電所における原子力災害中長期対策
5.3 事業所外運搬における原子力災害中長期対策
6.他の原子力事業者への協力
6.1 目 的
6.2 協力協定等の締結
6.3 原子力防災要員の派遣及び原子力防災資機材の貸与
7.記 録
7.1 目 的
7.2 記録の種類
7.3 記録の保存
解説
付属資料 原子力発電所 緊急時活動レベル(EAL)の設定方法
電気技術指針「原子力発電所の緊急時対策指針 JEAG4102-2015」は,原子力事業者が,原子力発電所の緊急時の準備と対応に関する原子力事業者防災業務計画を作成するにあたって,各事業者に共通の指針となるよう,2010版を見直したものです。
主な改定内容として,平成23年3月の東京電力福島第一原子力発電所事故を教訓にした国内法令や関係指針等の制定・改正及び国際基準の変更を反映させる形で,以下を導入しています。
①行為の正当化及び防護の最適化という放射線防護の基本原則
②予防的防護措置,緊急時防護措置を準備する区域の範囲設定
③緊急時活動レベル(EAL)及び運用上の介入レベルの設定
特に,原子力事業者防災業務計画で設定することが求められたEALについては,国や自治体の原子力緊急事態対応の要の一つであり,その区域の防護措置を実施する技術的根拠となります。そこで,個別のEALが住民の防護措置を必要とする緊急時に該当する根拠を明確にする目的で,本指針の付属資料として新たにまとめました。
本指針を原子力発電所の緊急時対策に利用する際は,訓練等を通じた検証を重ねること,関係機関や団体の意見を求めることが重要と考えます。
また,関係法令や国際基準の変更及び原子力に関する新たな知見等を常に把握し適宜反映していくことにより,本指針の継続的な改善を図っていくことが必要です。
最後に,本指針改定にあたり多大なご尽力をいただきました検討会,分科会の委員及び事務局等の関係者各位に対しまして,深く謝意を表します。
平成27年5月
原子力規格委員会
運転・保守分科会
分科会長 山口 彰