日本電気協会

原子力規格委員会

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JEAG4204-2016
発電用原子燃料の製造に係る品質管理指針

概 要

 加工事業者が実施する軽水炉型原子力発電所に使用される原子燃料製造に係る品質管理に関する基本事項について述べている。

目 次

第1章 序 論
1.目 的
2.適用範囲
3.関連法規等
4.用語の定義

第2章 基 本 事 項
1. 品質管理
2. 製造の管理
2.1 製造管理の計画
(1) 設計要求品質に対する製造方法及び条件
(2) 製造工程の管理指標
(3) 作業の標準化
2.2 製造管理の実施
(1) 作業者の力量管理
(2) 作業者の力量維持
(3) 作業環境の維持
(4) 状態及び識別の管理
(5) 工程の安定度の管理
(6) 製造管理記録の確認及び管理
2.3 特殊工程及び新工法の管理
(1) 特殊工程の管理
(2) 新工法の管理
2.4 調達の管理
(1) 調達プロセス
(2) 調達要求事項
(3) 調達製品の検証
3. 検査の管理
3.1 検査の計画
(1) 検査の実施計画
(2) 検査の実施場所
(3) 母集団及び検査単位
(4) 検査の方式
(5) 新規検査方法導入時の管理
3.2 検査の実施
(1) 検査要領の文書化
(2) 検査員の力量管理
(3) 検査員の力量維持
(4) 検査員の独立性
(5) 検査対象品の状態の管理
(6) 検査機器及び検査装置の管理
3.3 検査の確認
(1) 検査結果の確認
(2) 不適合品の処置
(3) 検査完了品の保管状況の確認
(4) 検査結果の文書化
(5) 品質記録管理
3.4 検査の評価
(1) 検査結果の評価
(2) 品質の安定度
(3) 工程の安定度
(4) 検査の適正化
附属書A(参考) 発電用原子燃料の製造及び検査フローの例
附属書B(参考) 技術基準と検査の項目
附属書C(参考) 検査の項目,方法及び関連規格
附属書D(参考) 統計的管理方法
附属書E(参考) 発電用原子燃料の抜取検査の例

巻頭言

 本指針は,加工事業者が実施する軽水炉型原子力発電所に使用される原子燃料製造に係る品質管理に関する基本事項について述べるものです。
 本指針の前身である「発電用核燃料体検査指針(検査項目,検査方法)「JEAG4204-1970」は,原子燃料製造工場における検査の項目と方法を規定し,ついで,平成2年に品質管理を新たに盛り込み,「発電用原子燃料検査指針(原子燃料製造における品質管理及び検査項目・方法)JEAG4204-1990」として改定しました。

 その後,日本電気協会におけるJEAC,JEAGの規格発行に関する仕組みが改定されたことから,より規格性のある内容が要求され,「検査の項目と方法」を「参考事項」に移すなどの改定を行い,表題を「発電用原子燃料品質管理指針」と改め,平成15年に2003年版として改定しました。

 さらに,その後,5年を経過し,2003年版で引用している「原子力発電所の品質保証指針(JEAG4101)」の廃止が見込まれたことなどから,指針の改定作業を行い2009年版として改定しました。2009年版の主な改定内容は,最新の品質保証に係る規格である「原子力発電所における安全のための品質保証規程(JEAC4111-2009)の適用指針」を引用したことや, 新しい分析方法や検査方法を追加したことです。また,検査方法について,加工及び検査のフローシートを追加するなど,ユーザビリティの向上を図りました。

 近年,運転経験を設計,製造,検査及び運用に継続的にフィードバックさせてきた結果,原子燃料の運用実績は良好でしたが,今回の改定においては2011年に発生した東京電力(株)福島第一原子力発電所事故を踏まえ,品質管理は醸成された安全文化の上に成り立った活動である旨を明記することとしました。また,製造及び検査の管理項目,管理方法等について,最新の状況に更新しました。

 以下に,主な改定内容を示します。
① 表題について
 ・本指針は,「製造および検査」を対象としていることを明示的に示すため,名称を「発電用原子燃料の製造に係る品質管理指針」としました。
② 安全文化の醸成について
 ・本指針の品質保証の基本的要求事項は,「原子力発電所における安全のための品質保証規程(JEAC4111-2013)の適用指針」(JEAG4121-2015)の附属書-1「品質マネジメントシステムに関する標準品質保証仕様書」に拠るため,本附属書を元に,安全文化に関する記載を充実させました。更に,原子燃料製造工場が行っている安全文化醸成に係る諸活動の具体例を解説に追記し,理解の促進を図りました。
 ・原子燃料製造に係る原子力安全に関する海外の類似規格をレビューした結果,既存の規格または今回の改定にて包含されていることを確認しました。
③ 「調達の管理」の項目の追加について
  原子燃料製造に係る重要な管理事項となる「調達の管理」の項目を追加しました。
④ 国外で製造され国内で利用される原子燃料について
  適用範囲として,国外で製造され,国内で利用される原子燃料も含まれることを明記しました。

 今回改定を行った本指針が有効に活用され,発電用原子燃料の製造に係る品質管理に役立てていただけることを期待します。
 最後になりましたが,本指針改定にあたり多大なご尽力を頂いた分科会,検討会の委員及び事務局等の関係者各位に,深く謝意を表します。

 平成28年11月

原子力規格委員会
原子燃料分科会
分科会長 寺井隆幸

改定履歴
制  定
平成2年4月24日
第1回改定
平成15年5月23日
第2回改定
平成21年5月12日
第3回改定
平成28年11月6日
正誤表
公衆審査
JEAG4204-2016
期間:平成28年9月6日
    〜平成28年11月6日
結果:資料請求者0名
意見送付者0名
質疑・意見対応
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