日本電気協会

原子力規格委員会

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JEAG4608-2007
原子力発電所の耐雷指針

概 要

 発電用原子力設備において,当該設備が落雷の影響を受けることによって,発電用原子力設備の安全機能が損なわれることのないよう,雷直撃の防止対策,雷サージ抑制対策,雷サージの影響措置対策について規定している。

目 次

1. 総 則
1.1 目 的
1.2 適 用 範 囲
1.3 関連規格, 法規
1.4 用 語 の 定 義

2. 雷 直 撃 の 防 止
2.1 電力設備の避雷設備
2.2 建築物等の避雷設備
2.2.1 一般建築物の避雷設備
2.2.2 危険物施設の避雷設備
2.3 避雷設備の避雷導線
2.4 避雷設備の接地極
2.5 配 置 計 画

3. 雷サージの抑制策
3.1 電力設備に侵入する雷サージの抑制
3.1.1 送電設備から侵入する雷サージの抑制
3.1.2 主発電機,所内高圧電源設備へ侵入する雷サージの抑制
3.1.3 所内低圧電源設備へ侵入する雷サージの抑制
3.2 計測制御設備へ侵入する雷サージの抑制
3.2.1 接 地 設 計
3.2.1.1 接地抵抗目標値
3.2.1.2 接 地 方 式
3.2.1.3 接地系の連接
3.2.1.4 計測制御設備の接地
3.2.2 配 線 設 計
3.2.2.1 配 線 方 法
3.2.2.2 ケーブル種類
3.3 火花放電の防止

4. 雷サージの影響阻止
4.1 雷インパルス絶縁耐力
4.2 雷サージ侵入の阻止

解 説

巻頭言

 原子力発電所の安全性を確保するためには,雷に対する適切な防護措置を施して,例え落雷があったとしても,それにより原子力発電所の安全に直接係る電源設備及び計測制御設備の機能が脅かされることのないようにしておく必要があります。
 しかし,昭和58年当時,我が国には原子力発電所の耐雷設計について具体的に言及した規程及び指針類がなかったため,日本電気協会は,通商産業省から原子力発電所の雷に対する防護の指針整備に関して調査・検討するよう依頼を受けて,原子力専門委員会(現原子力規格委員会)の下部組織である安全設計分科会の下に耐雷設計検討会を設置し検討を行いました。
 その結果,建築基準法施行令及び危険物の規制に関する政令の要求に基づき一般建築物や危険物施設で実施されている避雷設備の設置,及び電気設備の技術基準を定める通商産業省令で求められる接地の実施や避雷器の設置等を組み合わせることが,原子力発電所の電源設備や計測制御設備を防護する手法として採用できると考えられたことから,これらを設計上考慮すべき事項及び推奨される方法としてとりまとめ,昭和61年に原子力発電所の耐雷指針(初版)を発行しました。
 その後,平成2年8月に至り,原子力安全委員会が「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」を改訂し,「発電用軽水型原子炉施設の安全機能の重要度分類に関する審査指針」(以下「重要度分類審査指針」という。)を制定したのを受けて,耐雷設計検討会において第1回改訂作業に着手しました。改訂作業では,「原子炉施設の安全に直接係わる機器及び回路」にっいては,重要度分類指針に基づいて分類し,必要な設計を行う等の修正を行い,またサージ侵入を抑制するのに効果がある光ファイバケーブルやラインフィルタの使用を最新知見として追記し,第1回改訂版を平成12年3月に制定しました。
 更に,平成15年7月に至り,本指針のうち避雷設備の設計で引用するJISA4201「建築物等の避雷設備(避雷針)」(主務大臣:国土交通大臣)が改訂されました。JIS A 4201の改訂は,国際規格への整合化の推進に伴って,IEC 61024-1「Protection of structures against lightning」へ整合を図ったもので,特に雷の遮へい設計として国内で従来採用されていた保護角法に加え,回転球体法の考え方が新たに導入されています。
 そこで,本分科会ではこのような状況の変化及び最新の技術進歩,運転経験の蓄積に対応して原子力発電所の耐雷設計をより向上させる観点から,平成16年4月以降,耐雷設計検討会において,海外の原子力耐雷規格の動向も調査し,第2回改訂作業に着手しました。
 主要な改訂事項は以下のとおりです。
(1)第1回改訂版制定以降の関連法規規格の改訂等,特にJIS A 4201-2003「建築物等の雷保護」の制定を踏まえ,JIS A 4201-2003のベースであり欧州の原子力プラントの耐雷設計に対して採用されているIEC 61024-1「Protection of structures against lightning」やIEC 61662「Assessment of the risk of damage due to lightning」,米国の原子力プラントの耐雷設計に対して採用されているIEEE等の避雷設備規格を反映した設計方法を記載しました。
(2)第1回改訂版制定以降の雷によるトラブル事例として,屋外制御ケーブルから制御回路内に雷サージが侵入し,リレーを誤動作させた事象が確認されました。このトラブル対策として実施した制御ケーブルへのシールドケーブルの使用や両端接地が,雷サージ抑制対策として有効であることが確認されたため,これを反映しました。
(3)その他,新知見として,近年建屋構造として採用されている鋼板コンクリート構造等が雷直撃を防止する上で有効であること等が確認されたため,これを反映しました。
 本指針の改訂にあたって,関係官庁,電力会社,メーカ並びに委員の方々に絶大なご助力を賜りました。ここに関係各位に深く感謝する次第であります。

平成19年12月

原子力規格委員会
安全設計分科会
分科会長 吉川榮和

改定履歴
制  定
昭和61年1月9日
第1回改定
平成10年5月26日
第2回改定
平成19年12月5日
正誤表
公衆審査
JEAG4608-2007
期間:平成19年9月7日
    〜平成19年11月6日
結果:資料請求者1名
意見送付者0名
質疑・意見対応
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