日本電気協会

原子力規格委員会

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JEAG4614-2013
原子力発電所免震構造設計技術指針

概 要

 本指針は上部構造(建物・構築物)の下部に免震装置を設置し,全体構造の固有周期を地震動が卓越する周期より長周期化するとともに,減衰機構を付加することにより上部構造に作用する地震力の低減をはかる免震構造に関するものである。
  2011年東北地方太平洋沖地震により、免震建築物にはいくつかの課題が得られ,現在,その原因究明と対策の検討が進められている。本改定版は,現時点で得られた知見については最大限の範囲で反映を図っている。

目 次

1. 適用範囲
2. 用語・記号と略称
3. 基本方針
4. 耐震設計上の重要度分類
5. 免震設計評価法
  5.1 方針
  5.2 基準地震動及び設計用地震動の評価法
  5.3 設計用地震力の算定法
   5.3.1 静的地震力
   5.3.2 基準地震動及び設計用地震動による地震力
  5.4 地震応答解析法
6. 免震型発電用原子炉施設の荷重組合せと許容限界
  6.1 免震装置の荷重の組合せと許容限界
   6.1.1 設計上考慮する荷重の種類
   6.1.2 荷重の組合せと許容限界
  6.2 建物・構築物の荷重の組合せと許容限界
  6.3 機器・配管系の荷重の組合せと許容限界
7. 免震型発電用原子炉施設の各部の設計
  7.1 免震装置の設計
   7.1.1 積層ゴム免震要素の設計
   7.1.2 ダンパの設計
   7.1.3 健全性評価
   7.1.4 耐久性
  7.2 建物・構築物の設計
   7.2.1 構造計画
   7.2.2 健全性評価
  7.3 機器・配管系の設計
8. 免震装置の品質管理と維持管理
  8.1 品質管理
  8.2 維持管理

参考資料1 積層ゴム免震要素の設計例(その1)
1.ゴム材料
2.要素設計用材料定数
3.設計例

参考資料2 積層ゴム免震要素の設計例(その2)
1.ゴム材料
2.要素設計用材料定数
3.設計例

参考資料3 鋼材ダンパの設計例

参考資料4 免震装置の特性が応答に及ぼす影響の評価例
1.積層ゴム免震要素特性の変動率と応答値の関係
2.積層ゴム免震要素の鉛直剛性の変化が応答へ与える影響
3.積層ゴム免震要素における設計用軸応力度σの組合せ評価手法

参考資料5 免震建屋と耐震建屋の非線形応答に関する検討例
1.免震建屋と耐震建屋における弾性応答と弾塑性応答の比較
2.免震建屋と耐震建屋における耐震余裕度の比較

参考資料6 設計における想定を超えた事象に関する検討例
1.地震に対する検討
2.地震随伴事象に対する検討

参考資料7 機器・配管系の構造計画
1.機器・配管系の構造計画例
2.渡り配管の振動試験例
3.地震感知装置
4.免震建屋での耐雷設計

参考資料8 免震装置の品質管理と維持管理
1.品質保証体系
2.免震装置特性確認試験
3.免震装置の製造時品質管理
4.免震装置の維持管理

巻頭言

 本指針は上部構造(建物・構築物)の下部に免震装置を設置し,全体構造の固有周期を地震動が卓越する周期より長周期化するとともに,減衰機構を付加することにより上部構造に作用する地震力の低減をはかる免震構造に関するものである。
 (社団法人[当時、以下(社)])日本電気協会の耐震設計分科会では,(財団法人[当時])電力中央研究所で作成した「高速増殖炉免震設計技術指針(案)」を踏まえて,「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針(昭和56年7月20日 原子力安全委員会決定)」(以下、「耐震審査指針(1981)」という)の基本的な考え方に基づくことを基本方針として,特に原子炉施設固有の安全性に関する要求と免震構造の特性を考慮して検討を進め,2000年に発電用原子炉施設全般を対象とする本指針を制定した。
 その後,耐震審査指針(1981)は,耐震技術に関する最新の知見を取り入れるよう高度化の検討がなされ,「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針(平成18年9月19日原子力安全委員会決定)」(以下、「耐震審査指針(2006)」という)として改訂された。(社)日本電気協会では,それまでの「原子力発電所耐震設計技術指針(JEAG4601)」の規程化を進め,「原子力発電所耐震設計技術規程(JEAC4601-2008)」としてまとめた。また,2007年新潟県中越沖地震における教訓を踏まえ,複数の原子力発電所サイトで緊急時対策所を内蔵する免震事務所棟が建設されてきている。さらに,2008年度からは,次世代軽水炉開発(2012年度より発電用原子炉等安全対策高度化技術開発に変更)に関わる国のプロジェクトが開始され,基礎免震方式を基本とした技術開発が進められている。
 このような状況を踏まえ,(社)日本電気協会の耐震設計分科会では,2010年より建物・構築物検討会を中心として,制定から10年を経過した本指針を耐震審査指針(2006)に適合させるべく,最新知見を取り入れた改定作業を進めてきた。
 改定作業中の2011年3月に東北地方太平洋沖地震が発生する事態が生じた。同地震では、東北仙台地域に於ける一般の免震建築物において免震部と非免震部の渡り部、免震装置の取付部等に軽微な損傷が観測されたものの,免震建築物として期待される免震効果を発揮した。もう一つの課題として、この東北地方太平洋沖地震においては、長時間継続した長周期成分が卓越した地震動が観測され、免震構造と同じ振動基礎論により長周期化を図ることによって構造計画が立てられている超高層建築物の振動性状に問題点を提起した。2011年東北地方太平洋沖地震により、免震建築物にはいくつかの課題が得られ,現在,その原因究明と対策の検討が進められている。本改定版は,現時点で得られた知見については最大限の範囲で反映を図っているが,今後,新たな知見が得られる際には適宜速やかに見直しを加えていく方針である。
 ここに,検討及び審議に参加してご協力いただいた関係各委員の方々及び関係諸機関の方々,そして特にご尽力いただいた原案作成者,耐震設計分科会のもとに設けられた建物・構築物検討会及び機器・配管系検討会の主査・幹事の方々に厚くお礼申し上げる。

平成25年5月

原子力規格委員会
耐震設計分科会
分科会長 原 文雄

改定履歴
制  定
平成12年7月
第1回改定
平成25年5月20日
正誤表
公衆審査
JEAG4614-2013
期間:平成25年3月21日
    〜平成25年5月20日
結果:資料請求者0名
意見送付者0名
質疑・意見対応
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