日本電気協会

原子力規格委員会

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JEAG4210-2021
原子力発電所の保守管理指針

概 要

 本規程は,原子力発電所の事業者(以下,「組織」という。)が実施する原子力安全のためのマネジメントシステムに基づく活動のうち,保守管理の計画,実施,評価及び改善などの活動を通じて,発電用原子炉施設の安全性,電力の供給信頼性を確保するために,原子力発電施設の供用期間中に組織が実施するべき保守管理(「実用発電用原子炉の設置,運転等に関する規則(昭和53年通商産業省令第77号)」の改正により,供用開始前の設計及び工事から供用開始後の保守管理までの一連が施設管理として定義されたことに伴い,本規程では,「JEAC4111-2021 原子力安全のためのマネジメントシステム規程」により規定する設計管理を除いた施設管理のプロセスを,保守管理のプロセスの対象範囲とした。)の基本要件を定めるものである。
  また,指針では要求事項の意図,目的などの理解促進のための例示等を明示した。これにより組織の創意工夫を活かしつつ,標準的な考えによる保全の実証と成果を共有できるようにした。

目 次

第1章 序 論
第2章 要求事項の解説
 MG-1  目  的
 MG-2  適用範囲
 MG-3  用語の定義
 MG-4  保守管理
 MG-5  保守管理の実施方針及び保守管理目標
 MG-6  保全プログラムの策定
 MG-7  保全対象範囲の策定
 MG-8  保全重要度の設定
 MG-9  保全活動管理指標の設定及び監視計画の策定
 MG-10 保全活動管理指標の監視
 MG-11 保全計画の策定
  MG-11-1 点検計画の策定
   MG-11-1-1 保全方式の選定
   MG-11-1-2 保全方式ごとの点検計画の内容
  MG-11-2 補修,取替え及び改造計画の策定
  MG-11-3 特別な保全計画の策定
 MG-12 保全の実施
 MG-13 点検・補修等の結果の確認・評価
 MG-14 点検・補修等の不適合管理及び是正処置
 MG-15 保全の有効性評価
 MG-16 保守管理の有効性評価

〔添付資料〕
添付1  JEAC4111-2021の要求事項に対するJEAC4209-2021の規定内容
添付2  保全対象範囲と保全活動管理指標を設定する系統(例)〔BWR,PWR〕
添付3  保全重要度の設定フロー(例)
添付4  系統機能及び系統の保全重要度決定表(例)
添付5  保全活動管理指標の設定及び監視方法(例)
添付6  劣化メカニズム整理表(例)
添付7  点検計画(例)〔BWR,PWR〕
添付8  保全の有効性評価の内容とその実施時期(例)
添付9  定期事業者検査の整理(例)
添付10 定期事業者検査要領書作成要領(例)

巻頭言

 原子力発電所の安全性と信頼性を確保し,効率を維持するためには,原子力発電所を構成する構築物,系統及び機器が所定の機能を発揮しうる状態にあるよう事業者が保守管理することが必要です。このため,「原子力発電所の保守管理規程」(JEAC 4209-2003)を制定し,最新の知見と情報を反映して継続的に改定しています。本指針はJEAC4209をガイドすることを目的とし,解説,例示,具体例などにより,保守管理規程の適用に当たっての理解を深め,より充実した保守管理が行われることを目標に制定するものです。
   本指針の改定と並行して,JEAC4209については,2017年4月の「核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)」の改正により,従来の検査制度が改められ,リスクを活用した実績重視の考え方を取り入れ,原子炉施設の安全性を監視・評価する米国の原子炉監督プロセスを参考とした原子力規制検査制度が導入されることに伴い,必要となる改定を行いました。保守管理に係る新たな検査制度のポイントは以下であり,これらを反映することにより,適切かつ効果的な保守管理活動が実施されるものと期待します。
   ・事業者検査化:これまで国が実施していた検査(施設定期検査,使用前検査等)を
  事業者責任で実施
   ・自主的安全性向上に向けた取組み:事業者が継続的な安全性向上を図るために
  リスク情報を活用して,より安全性にフォーカスした保安活動への改善を実施
   また,「実用発電用原子炉の設置,運転等に関する規則(昭和53年通商産業省令第77号)」(以下,「実用炉規則」という。)の改正により,供用開始前の設計及び工事から供用開始後の保守管理までの一連が施設管理として定義されたことに伴い,JEAC4209では,「原子力安全のためのマネジメントシステム規程」(JEAC4111-2021)により規定する設計管理を除いた施設管理のプロセスを,保守管理のプロセスの対象範囲としております。
   これを受けて,JEAC4209の理解を深め,その適用に当たっての認識を共有し,保守管理を充実したものとするために,参考となる事例や解説を新たに追加して,本指針を改定することとしました。
   本指針を保守管理規程の実運用に当たってのガイドとして,保全プログラムを中心とした保守管理の仕組み作りに役立てて頂ければ幸いです。
最後に本指針改定に当たり絶大なご尽力を頂きました検討会,分科会の委員各位及び事務局を始めとした関係各位に深く感謝する次第です。

2021年1月
原子力規格委員会
運転・保守分科会
分科会長 山口 彰

改定履歴
制  定
2007年12月5日
第1回改定
2014年11月28日
第2回改定
2016年12月13日
第3回改定
2021年1月1日
正誤表
公衆審査
期間:2020年11月2日
    〜2021年1月1日
結果:資料請求者0名
   意見送付者0名
質疑・意見対応
     
書面投票
期間:2020年7月16日
    〜2020年8月5日
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