本規程は,取替炉心の安全性の確認に用いる解析コード(取安解析コード)に対する適格性評価の方法及び取安解析コードの管理方法を規定している。
第1章 規程の目的,適用範囲
1.1 規程の目的
1.2 適用範囲
1.3 関連法規等
1.4 用語及び定義
第2章 取安解析コードの適格性評価及び管理
2.1 マネジメントに係る一般的事項
2.2 取安解析コードの適格性評価の方法
2.2.1 適格性評価の実施方法
2.2.2 重点的な適格 性評価の実施方法及びその条件
2.2.3 適格性評価の品質保証
2.2.4 適格性評価の継続的な改善
2.3 取安解析コー ドの管理方法
第3章 参考文献
附属書A(参考) 取安解析コードに対する適格性評価の適用例の特徴
附属書B (参考) BWRの取安解析コードに対する適用例
附属書C (参考) PWRの取安解析コードに対する適用例
附属書D (参考) 取安解析コードの適格性評価の品質向上に関する補足
附属書E (参考) 取安解析コードの管理方法の適用例
附属書F (参考) 取安解析コードの分類と適格性評価との関係
附属書G (参考) 取安コード規程と M&S ガイドなどとの関係
軽水型原子力発電所の設置(変更)許可申請においては発電所施設の基本設計の妥当性が評価され,炉心に関して制限値などが設定される。軽水型原子力発電所の取替炉心の設計では,炉心に装荷される燃料の健全性確保などの観点から,これらの制限値を満足することを確認する必要がある。
取替炉心ごとに確認するパラメータ(取安評価項目)並びに安全性確認に対する要求事項,確認方針及び確認手順については,別の規程「取替炉心の安全性確認規程(JEAC4211-2018)」に示されている。一方,本規程は,取安評価項目を評価するために用いる解析コード(取安解析コード)の適格性評価の方法及び取安解析コードの管理方法について規定している。
原子力規制検査に係る法令類の整備の中で取替炉心の安全性の確認に関わる検査運用ガイドが策定され,妥当性が確認された取安解析コードを用いることが取替炉心設計の前提条件となっている。この流れを受け,本規程では,原子力産業のみならず,航空宇宙産業,自動車産業などでも広く活用が進められている適格性評価に関する海外の知見も参考に,妥当性に係る要件を客観的かつ合理的に整理している。
この規程によって適格性評価がなされた取安解析コードを使用することは,新しい検査制度のもと,取替炉心の安全性の確認の信頼性の向上及び事業者の自主的安全性向上を確かなものとすることにつながると考える。
本規程制定にあたり絶大なご尽力を頂いた検討会,分科会の委員各位及び事務局を始めとした関係各位に深く感謝するとともに,取替炉心の安全性の確認に用いる取安解析コードの適格性評価において,本規程が活用され,原子力発電所の安全性と信頼性の確保に寄与することを期待する。
2022年5月
原子力規格委員会
原子燃料分科会
分科会長 山本章夫