フェライト鋼の遷移温度領域における破壊靱性を特徴付ける参照温度Toの決定方法(マスターカーブ)を規定するもので,国内での運用の利便性を考慮し,米国規格ASTM E1921を参考に,国内規格との整合化を図り,わかりやすく解説を記載いたしました。
MCT-1000 適用
MCT-1100 適用範囲
MCT-1200 参照規格
MCT-1300 用語の定義
MCT-2000 試験装置
MCT-2100 試験機
MCT-2200 C(T)試験片,DC(T)試験片及びMini-C(T)試験片用治具
MCT-2300 SE(B)試験片用治具
MCT-2400 変位計
MCT-2500 温度制御
MCT-3000 試験片の寸法・形状と試験準備
MCT-3100 試験片
MCT-3200 予き裂
MCT-3300 サイドグルーブ
MCT-4000 破壊靭性試験の試験手順及び評価手順
MCT-4100 試験の準備
MCT-4200 試験温度及び試験片個数
MCT-4300 試験及び試験後の測定
MCT-4400 KJcの計算方法
MCT-5000 参照温度Toの決定
MCT-5100 単一試験温度による方法(単一試験温度法)
MCT-5200 複数試験温度による方法(複数試験温度法)
MCT-5300 Toとしての有効性
MCT-6000 記録
MCT-6100 必要な記録
MCT-6200 補足情報
附属書目次
附属書A(参考) 推奨される試験片用治具
附属書B(参考) シャルピー衝撃試験(Vノッチ試験片)データを用いて
試験温度を設定する方法
附属書C(参考) 負荷速度の設定例
附属書D(参考) Toの算出例(有効なKJcデータに基づく場合)
附属書E(参考) Toの算出例(無効なKJcデータを含む場合)
附属書F(参考) 複数試験温度法によるToの算出例
わが国における原子力発電所に設置する機器を構成する材料の破壊靭性の妥当性を確認する試験方法および合格基準等については,「原子力発電所用機器に対する破壊靭性の確認試験方法(JEAC4206)」に規定され,運用されています。
本規程は,原子力発電所に使用するフェライト鋼の遷移温度領域における破壊靭性を特徴付ける参照温度Toの決定方法(マスターカーブ)を規定したものであり,国内での運用の利便性を考慮し,米国規格「Standard Test Method for Determination of Reference Temperature, To, for Ferritic Steels in the Transition Range (ASTM E1921) 」を参考に,国内規格との整合化や解説の充実を図って,平成23年に制定しました。
今回は,国内での研究成果などを踏まえて,超小型の試験片「ミニチュアコンパクト試験片(Mini-C(T)試験片)」の規定を追加するなど,最新の知見を取り入れた改定を行っています。
今後は国内規格との整合性をとりつつJEAC4206への取り込みを図るなど,タイムリーな改定をしてまいります。本規程を利用される皆様の率直なご批判とご助言により,さらに追補と改定に努めたいと念じております。
平成28年3月
原子力規格委員会
構造分科会
分科会長 吉村 忍