原子力発電所における設備診断技術に関して、他産業や海外からの知見を参考にして継続的に規格策定活動を行うこととし、放射線肉厚診断技術に関する指針を制定した。本指針は、総則、測定、評価及び対策立案、記録並びに力量要件の各章で構成し、本文には設備診断技術を適用する際の基本的要求事項を、解説及び例示には放射線肉厚診断技術を適用する際の具体的な内容を記載している。更に参考として、放射線による測定、評価の例等を附属書にて紹介している。
第1章 総 則
1.1 一般事項
1.1.1 適用範囲
1.1.2 用語の定義
1.1.3 調達管理
1.2 劣化モード
第2章 測 定
2.1 状態監視パラメータの設定
2.2 測定装置
2.3 測 定
第3章 評価及び対策立案
3.1 評価の実施
3.2 対策立案
第4章 記 録
4.1 測定,評価の結果及び対策立案の記録
4.2 校正及び点検結果の記録
第5章 力量要件
5.1 測定者の力量要件
5.2 評価者の力量要件
附属書A(参考) 放射線肉厚診断における撮影例
附属書B(参考) IP法の代表的な撮影手順の例
附属書C(参考) カラーI.I.法の代表的な撮影手順の例
原子力発電所における事業者の保守管理の原則は,保守管理規程(JEAC4209-2007)において規定されています。しかしながら,個々の保全計画や実施方法は,プラント設備他の個別の状況に応じて柔軟に設定しているものの,今後事業者,産業界が創意工夫を発揮して保守管理の実効性を更に上げていくためには,保守管理規程と個別の計画,方法をつなぐガイドライン等が必要です。
また,現在,事業者は保全活動の一層の充実を目指して,保全プログラムの充実に取り組んでいます。そのためにも,原子力発電所運転中における状態監視又は状態基準保全のガイドラインを始めとした指針,規格等の整備が必要となっています。
このような背景の中で,電気協会において原子力発電所における設備診断技術に関して,他産業や海外からの知見を参考にして継続的に規格策定活動を行うこととし,このたび,放射線肉厚診断技術に関する指針を制定しました。
本指針は,総則,測定,評価及び対策立案,記録並びに力量要件の各章で構成され,本文には設備診断技術を適用する際の基本的要求事項を,また解説及び例示には放射線診断技術を適用する際の具体的な内容を記載しています。さらに参考として,放射線による測定の例を附属書にて紹介しています。
今後,本指針を利用される皆様の率直なご批判とご助言により,さらに追補と改定に努めたいと念じております。
平成21年3月
原子力規格委員会
構造分科会
分科会長 吉村 忍