本指針は,原子力発電所及び使用済燃料の再処理施設(以下,発電所等という)の放射線業務従事者,発電所等の管理区域に一時的に立ち入る者及び発電所等周辺の一般公衆が,運転に起因して受ける線量を合理的に達成できる限り低く管理するための放射線モニタリングの考え方及び推奨される方法を定めています。
1. 序 論
1.1 目 的
1.2 適用範囲
1.2.1 発電所
1.2.2 再処理施設
2. 関連法規等
2.1 関連法令
2.2 関係指針類
2.3 関連規格
3. プロセス放射線モニタリング(発電所)
3.1 目 的
3.2 測定方法及び測定箇所
3.2.1 プロセス放射線モニタによる測定
3.2.2 サンプリング測定
3.3 計測装置
3.3.1 プロセス放射線モニタ
3.3.2 サンプリング測定
3.4 指示・記録・警報表示
3.5 設計上考慮すべき事項
3.5.1 プロセス放射線モニタ
3.5.2 サンプリング測定
4. エリア放射線モニタリング(発電所)
4.1 目 的
4.2 測定方法及び測定箇所
4.2.1 エリア放射線モニタによる測定
4.2.2 サンプリング測定
4.3 計測装置
4.3.1 エリア放射線モニタ
4.3.2 サンプリング測定
4.4 指示・記録・警報表示
4.5 設計上考慮すべき事項
5. 放出管理モニタリング(再処理施設)
5.1 目 的
5.2 測定方法及び測定箇所
5.2.1 排気中の放射性物質の測定
5.2.2 排水中の放射性物質の測定
5.3 計測装置
5.3.1 排気モニタ
5.3.2 排水モニタ
5.3.3 サンプリング測定
5.4 指示・記録・警報表示
5.5 設計上考慮すべき事項
6. 管理区域内放射線モニタリング(再処理施設)
6.1 目 的
6.2 測定方法及び測定箇所
6.2.1 エリアモニタ等による測定
6.2.2 サンプリング測定
6.3 計測装置
6.3.1 エリアモニタ等
6.3.2 サンプリング測定
6.4 指示・記録・警報表示
6.5 設計上考慮すべき事項
7. 周辺監視区域境界近傍放射線モニタリング
7.1 目 的
7.2 測定方法及び測定箇所
7.2.1 モニタリングポストによる測定
7.2.2 サンプリング測定
7.3 計測装置
7.3.1 モニタリングポスト
7.3.2 サンプリング測定
7.4 指示・記録・警報表示
7.5 設計上考慮すべき事項
8. 環境放射線モニタリング
8.1 目 的
8.2 環境放射線モニタリングの区分
8.3 平常時モニタリング
8.4 緊急時モニタリング
9. 校正及び点検
9.1 目 的
9.2 校 正
9.3 点 検
9.4 校正時等における欠測対応
参考資料
原子力発電所及び使用済燃料の再処理施設の正常な運転維持及び施設周辺公衆の安全確認の観点から,放射線モニタリングには,万全を期す必要があります。
わが国の発電所における放射線計測に関する技術基準は,1965年に「発電用原子力設備に関する技術基準」(昭和40年通商産業省令第62号)として定められましたが,発電所の放射線モニタリングについて具体的な技術的細目を整備するため,1975年11月に本指針を制定しました。その後,国の指針が順次整備され,技術の進歩,運転経験の蓄積に対応して,第1回改定(1987年6月)を行いました。第2回改定(1990年3月)では,1989年4月に施行された改正法令及びこれに基づく関連指針の改定の内容を反映しました。第3回改定(1996年5月)では,国内の全てのPWRにおいて高感度型主蒸気管モニタが設置運用されたことなどを反映しました。第4回改定(2003年5月)では,国際放射線防護委員会1990年勧告(ICRP Publication 60)の法令取入れや原子力災害対策特別措置法の制定などを反映しました。第5回改定(2017年3月)では,本指針の適用範囲に再処理施設を追加するとともに,福島第一原子力発電所事故を踏まえた新規制基準が施行されたことに伴う内容を反映しました。
今回の改定では,原子力規制庁環境放射線モニタリング技術検討チームの検討結果並びに新規制基準対応の適合性審査において得られた知見を取り込みました。
主要改定事項は,以下のとおりです。
1.原子力災害対策指針補足参考資料として,平常時モニタリングと緊急時モニタリングが整備されたのを受け,8章環境放射線モニタリングの内容を全面的に見直した。
2.平常時モニタリングにおける放射性物質の濃度の測定に使用する計測器の保守,点検及び校正に,ISO/IEC 17025の考え方に沿った品質を保証することが推奨されていることから9章校正及び点検の解説9-1に追記した。
3.新規制基準対応の適合性審査で得られた知見に基づき,5章放出管理モニタリング(再処理施設)の設計上考慮すべき事項の耐震設計の内容を見直した。
本指針は第6回改定に当たりますが,今後本指針を利用される皆様の率直なご批判とご助言により,さらに改定に努めたいと念じております。
最後に,本指針の改定に当たり絶大な助力を賜りました関係官庁,電力会社,メーカ並びに委員の方々など関係各位に深く感謝する次第であります。
2023年7月
原子力規格委員会
放射線管理分科会
分科会長 上蓑 義朋