日本電気協会

原子力規格委員会

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JEAG4621-2007
安全保護系計器のドリフト評価指針

概 要

 安全保護系計器の使用時間変更によるドリフトを校正データの統計的手法によって推定する方法を示し,その際に考慮すべき事項について規定している。

目 次

1. 総則
1.1 目的
1.2 適用範囲
1.3 関連法規及び規格基準等
1.4 用語の定義
2. 校正間隔変更後のドリフト評価
2.1 評価対象計器の選定
2.2 計器の校正データ等の収集
2.3 計器のグループ化
2.4 ドリフト基本統計量の計算
2.5 異常値の検討
2.6 ドリフト分布区間の評価
2.7 正規性の検定
2.8 時間依存性の評価
2.9 校正間隔変更後のドリフト分布区間の評価
3. 校正間隔変更の妥当性評価
解 説

巻頭言

 原子力発電所の安全保護系計器の設定値は,原子炉施設の安全機能を損なわずに事象が原子炉施設の安全解析の想定範囲内に収束するよう決定されており,この設定値を超えることなく確実に動作信号が発信されるよう,実際の計器の設定点には,計測系を構成する計器の不確かさが考慮されています。また,計器には長期間使用するとドリフトを生じる特性を有しているものがあり,このドリフトが計器の不確かさの要因の一つにもなっています。原子力発電所の事業者が保守管理の継続的改善の活動の過程において安全保護系計器の校正間隔を変更する場合には,変更された校正間隔で生じるドリフトを予測し,考慮された計器の不確かさへの影響を評価し,変更後の校正間隔の妥当性を示す必要があります。
 我が国において,原子力発電所の設備保全の最適化の一環として,計器の校正間隔を現状から変更する場合の要求事項が,(社)日本機械学会の「保全の最適化検討WG」(Hl7.12〜Hl8.9)で審議されました。この中で,既存のデータを用いて事業者がこれまで独自に実施してきたドリフト評価の手法について,「全体として整合のとれた標準的手法を整備する必要がある」との提言がなされました。
 (社)日本電気協会原子力規格委員会では,安全保護系計器のドリフト評価指針の制定に際し,先行する海外の指針を含めて,計器ドリフトに関する規格類を比較・整理し,これをもとに現状の国内民間手法の望ましい姿を検討しました。具体的には,原子力発電所の安全保護系計器の校正間隔を変更する際に,変更された校正間隔で生じるドリフトを統計的手法によって推定する方法を示し,その際に考慮すべき事項について定めることと致しました。更に内容の理解を深めるため,本指針に沿った具体的な評価例及び統計解析の基本概念を記した付録を付すことと致しました。
 本指針の制定に当たって,関係官庁,電力会社,メーカー並びに委員の方々に絶大なご助力を賜りました。ここに関係各位に深く感謝する次第であります。

平成19年12月

原子力規格委員会
安全設計分科会
分科会長 吉川榮和

改定履歴
制  定
平成19年12月5日
正誤表
公衆審査
JEAG4621-2007
期間:平成19年9月15日
   〜平成19年11月14日
結果:資料請求者0名
質疑・意見対応
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