原子炉格納容器内において塗装された塗膜が,事故環境下においても剥落しない塗装仕様であることを確認するための,試験実施方法,施工管理及び状態監視について規定している。
第1章 総 則
1.1 目 的
1.2 適用範囲
1.3 用語の定義
第2章 設計基準事故模擬試験
2.1 一般事項
2.2 試験片の作製
2.2.1 試験片の共通事項
2.2.2 鋼板試験板
2.2.3 コンクリート系試験板
2.2.4 記 録
2.3 放射線照射過程
2.3.1 試験片数
2.3.2 照射要領
2.3.3 観察及び記録
2.4 設計基準事故模擬過程
2.4.1 装 置
2.4.2 試験片数
2.4.3 試験パラメータ
2.4.4 試験溶液
2.4.5 試験要領
2.4.6 観察及び記録
2.5 評 価
第3章 塗装の施工管理
3.1 一般事項
3.2 塗装施工手順・管理方法の明確化
3.3 力量要件
3.3.1 塗装施工員の力量要件
3.3.2 塗装検査員の力量要件
3.4 記 録
第4章 塗膜の監視
4.1 塗膜の監視
4.2 記 録
附属書(参考):設計基準事故模擬試験に適合する塗装仕様と同等とみなしてよい実機の
塗装仕様について
「原子炉格納容器内の塗装に関する指針」は,原子炉格納容器内に塗装された塗膜が,冷却材喪失事故時にも剥落しないことを確認する試験の方法を定めることを主眼としています。加えて,塗料の性能を発揮させるためには,適切な施工管理が重要であることから,塗装施工管理の目安を示すとともに,塗膜の経年的な劣化などの監視を適切に行うために制定したものです。
本指針の塗膜の試験方法については,米国のASTMの規格を参考として,国内の状況に適合するようにし,また,塗装施工管理方法や監視の方法については,国内の良好な経験の中から汎用的なことがらを抽出して記載しました。更に本文の解説には,本文の解釈や根拠となることがらを記載し,例示には,指針の利用者の利便性を考慮して具体例を記載しています。
このような原子力発電に関係する塗装の指針は初めてのものであり,特に塗装施工管理方法や監視の方法については,他の良好な方法も存在すると考えられることから,今後,本指針を利用される皆様の率直なご批判とご助言により,追補と改定に努めたいと念じております。
平成22年9月
原子力規格委員会
構造分科会
分科会長 吉村 忍